山に木が生えていると言うこと

仕事で欧米人や中国人と仕事をしてきたが,日本に住む彼らが共通して言うことの一つに日本の山は木が多いことを感心する.日本に住む我々は山に木が生えているというのは当たり前のことで何を言ってるのだろうと思う.ただ,もし海外に行ってそのことに注意して景色を見たり(もしくは行ったことがあるならその景色を思い出してみてもいい),または今ならGoogleEarthなんかで航空写真を見てみれば彼らの言っている意味が分かるというものだ.

100_2411(南アルプス上空)

ではなぜ彼らが彼らの故郷で見る山には木がないのだろうか?まず木が生える,こと生い茂るともなると生物が生きる上で必要な要素を考えてみる必要がある.植物の三要素と言えば温度,日照,水分である.

まず気温.しかし寒冷地でもこのような気候に適応した樹液の固い針葉樹がありそれだけではなさそうだ.

次に日照.地球上には砂漠のように年中晴れているところはあるが,年中日照のないところはない.あえて言うなら白夜のある極に近い地域であるが,彼らの故郷はそのような土地でない.

最後にに水分.即ち雨である.西岸性気候の土地はどちらかというと不利になる.実際太古から人が余り住んでいたと思われない南米大陸やオーストラリアは植生が乏しい.しかし彼らの故郷はこのような砂漠ではなく,少なくとも上総堀程度の井戸で水が得られるような地域である.

これらは自然に起因する理由であり,これらが複合的に作用したときに植生がかけると思われる.このような地域は今もかつても人類が余り住み着いて来なかった土地にみられるようである.これは先天的理由で,一方後天的理由として考えられるのが人為的要素である.古代文明の土地はいずれももともと植生があった(同世代の遺構から木製品が確認される)にも拘わらず,それを食いつぶしたために滅んだという説である.文明が発達すれば人口が増える.人口が増えればそれを養うための食料のほか熱エネルギーが更に必要になる.このために森林を食いつぶしエネルギー源を失ったために文明が滅んだという説である.文明が滅んだ後,地域の人口が減少したであろうから必要となるエネルギーも減少したであろうが,植生が戻らなかったのは一度贅沢を知った人間は生活レベルを落とせなかったために(今のレベルからすれば贅沢に当たらないかも知れない程度にも拘わらず)それでもまだエネルギーバランス的に不足だったと言うことだろうか?

しかし人類は運良く,1000年以上経かったが次のエネルギー源を見いだした.石油である.これは森林のように1年をサイクルとしないもっと長い熟成を経て貯金してきた化石燃料である(それ故に再生可能エネルギーと言われない).このため地球の歴史相当の貯金がある.また古代文明のように地面の上に出ている部分しか利用できなかったのでなく,むしろ氷山のようにその下にある部分を利用しているのである.このため炭素の直鎖が長くエネルギー密度が高いというメリットもある.これまでにも述べているように,このために工業製品というものが作ることができている.工業製品というのは早く大量に作ることで成り立っている

おそらく石油は今も地球の内部で作られているのであろう.ただ,その製造速度がどの程度で現在の残存量というのは分からない.それでも現在おそらく確からしいのは,製造速度<<消費速度ということであろう.宇宙から見る地球とまで言わなくても,普通の人に可能な飛行機から見る地球が今の状態を保っているのは,よく言われるように太陽からの距離と地球の熱容量が絶妙だったために供給されるエネルギー量がその冗長性を許容するものだったのであろう.このために太陽の揺らぎに対して金星のようになったり火星のようになったりすることなく,氷河期やらですんでそこから回復してきたのであろう.石油を消費することで発生するCO2と温暖化を関連づける結論は納得いかない点が多いが,石油を大量消費することで得ている社会構造が,それが底をつくことが明らかとなることがあるとしたらその時にきたす反動を考えると不安要素が多くこれに依存しすぎない社会構造とはどういうものか模索しないといけないと思う.

さて,それでは日本の森林が維持されてきたのはなぜであろうか?自然の要素を考えると,日本の温暖な気候と適度な降水が人為的要素によって失われた分を回復するに十分なものであったことが考えられる.また自然への畏怖という多神教であったこととも相関も言われるようである.古代文明の土地ももともと多神教だったのが,一神教になっていったと言うことを考えれば植生との相関が議論される理由が分かる.そして植生の乏しい国に共通する唯一神の存在する一神教というのは正しいか正しくないか的なデジタルなところがある.日本が今ある自然と国力を維持するには今の西欧的常識で進歩と思われていることを場合によっては見直す勇気が必要なこともある時代に突入しているかも知れない.

後悔先にたたず,後悔役にたたず,後悔後をたたず



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この記事へのコメント

色不異空
2014年11月29日 21:55
TITLE: Re: タイトルなし
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>ぽんぽんさん
日本の気候条件は有利と思いますが,森林鉄道で有名な木曽でも伐採ではげ山になってるところがあったりで,やはり自然のなすがままでは厳しいと認識しています.
2014年11月29日 21:55
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やはり、日本の土壌、気温、降水量の影響が大きいでしょうね。
日本では人口減少や経済衰退によって各地に廃墟がたくさん生まれていますが、そういう場所は放って置くとすぐ雑草や雑木だらけになってしまいます。
ちなみに、鹿児島や沖縄は出生率が高いですが、これも気温と関係していると思います。(暖かいので植物がよく育つ。人間が欲情しやすいなど…)

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