家電メーカに続く産業

<富士フイルム>本業崩壊、生き残りをかけた変革の12年(プレジデントオンライン)より

・モノづくりが急激にデジタル化していく中、最後の橋頭堡として残るアナログ部分、そこにこそ生産技術の強みが活かせる
・そういうアナログの強さというのは絶対に残るんです。デジタル化できない部分とは何か、そこが日本のモノづくりにとって最も大切なところだと思いますね
・そうした職人技の極致ともいえるレンズの製造だけに、まだまだ日本のモノづくりの強みが残っている。
・「レンズにはたくさんの工程があり、それぞれが全然違った技術で、それらを網羅できる人はほとんどいません。レンズの場合、それだけハードルが高く、新たに参入するといっても難しいと思います」
・レンズ工場を見学し、樋口の説明を聞きながら、レンズの世界は、デジタル化の波にしぶとく生き残るスイスの高級時計に似ていると思った。日本が生き残る道がここにあるのかもしれない、と。
・自社の持つ高品質な「フィルム」技術の強みを“横展開”と“深掘り”することで、安易にデジタル化され、コモディティ化されることを防いできた。

このように,富士フイルムが自社のコア技術とするゼラチンをベースに横展開を図ったのに対し,Kodakは写真産業の延長にある映像の深掘りを選択した.ところがKodakの破産が報じられたとき,日本のメディアは国内でKodakデジカメシェアが小さいが故にデジタル化に乗り遅れた巨人Kodak(たとえばhttp://www.asahi.com/business/update/0119/TKY201201190329.html),のような報道が多かった.しかしフジの関係者も述べているように,Kodakの凋落はデジタル化による生産技術のコモディティー化に対して無頓着だったことの方が原因と思われる.なぜなら,むしろデジタル化に対してはKodakの方がフジより積極的で,実際91年にはNikonF3に130万画素のデジタルバックをコダックプロフェッショナルデジタルカメラシステムとして公表(写真工業50.1,1992)しているし,それ以前からフィルムスキャナーの展開や92年のフォトCDや2000年代以降は有機ELディスプレーや撮像素子のように撮影以後のデジタル化や映像へのアプローチのように撮影以後のデジタル化へのアプローチを先進的に展開してきた.
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ではなぜKodakも日本の家電メーカが陥ったのと同じ道を歩んだのであろうか?家電メーカのように川下メーカはデジタル化で生産技術がコモディティー化したため,先進国の産業としての立場を失ってきたわけであるが,川上のフィルムメーカであるKodakの場合は,本業であるフィルムの延長にある映像をキーワードとするデジカメや有機ELに代表されるその周辺部材,撮影以後へのデジタルアプローチに積極的に取り組みすぎ,(Kodak銘柄の中国などにフィルムの生産を移管した激安フィルムやデジカメが山積みされているのをキタムラなどで目にするように)川上メーカが保守すべきだった分野での生産技術をおろそかにしたのが原因,とする見方はできないだろうか?生産技術を不要とするデジタル製品はCRTから液晶に移ったことで途上国の製品との差が小さくなったことが示すように工業製品としては究極の技術であるが,世の中に多いデジタル化に乗り遅れるな,の発想は今後も先進国が先進国たらしめてきた製造業が第2のKodakを生み続けることになるのではないかと危惧される.すでに述べたように,フィルム産業というのはフィルムを買って現像するということで回り続けるインフラと雇用を生み出すという先進国になるための見本のような産業であったが,これを自ら後進国のレベルに落ちていく消費行動を国民一人一人がして第2のKodakを生む相乗効果を高めている.

後悔先にたたず,後悔役にたたず,後悔後をたたず



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この記事へのコメント

探偵GOD
2014年11月29日 21:56
TITLE: 探偵GOD
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これは勉強になります。

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