表題の
記事を見つけた.
原子力発電を使いこなす技術が未熟なのに都合のいいところだけを大本営発表して不安全なまま使ってきたことが今回露呈してしまった訳であるが,一方で電力ユーザである国民の多くは知らないから考えない,知らせなければ考えない,考えると面倒だから考えない,このサイクルでこれまでの安いエネルギーが成り立っていたことを知ろうとしないで原発立地域に潜在危険を押しつけ,
電力使用量を増やしてきたことは反省するべきである.一事が万事で
こちらでもデジカメ絡みで見られる.
・それまでに自分が正しいと思っていたこととまるで正反対の正しい情報に触れる機会が幸運にもあったとしても、それまでに正しいと思い込んでいた情報と冷静に比較ができず、これまでに慣れ親しんだ真逆の情報が正しいと自分に無理やり思い込ませる。
・正しい情報を知ろうとしない素人がそういう構造を作り上げているんです。メーカーの人たちは消費者に合わせてるだけ。なんでこんな馬鹿げたことが起こってるかって、消費者がそうさせているからです。
同様に表面的な都合のいい情報だけが多く流されて続けてきたのがオール電化であり,それに最近取って代わったのが自然エネルギーであろう.オール電化は出力変動できない原発の深夜余剰電力を消費させたいので安く提供しているだけだし,自然エネルギーの本丸の如く扱われる太陽光発電に関しては発電機でありながら脈動するわ計画発電できないわにもかかわらずその傾向が顕著になっている.これらの陰に潜む本質は一次エネルギーの流れである.なぜならその発電機である太陽光パネルを作るのに,1cm角のデバイスを作るのに使う技術で1m角のパネルを作るため多くのエネルギーを先行投入しているからである.特に一次エネルギーの代表である石油はエネルギーだけでなくプラスチックをはじめとする材料への利用も可能であるが,一方でこれが生成されるまでにかかる時間が人間のライフスパンよりずっと長いと認識されている.太陽からの熱量をもとに微生物が腐敗され地球誕生から何億年もかけて蓄積されてきたから今も生成はされているだろう.ただし現在ではその生成量より消費量の方が多く,産業革命前までの貯金で暮らす
年金生活者である.そしてこれまでのように安く採掘できるところは減ってメキシコ湾海底油田のようなコストがかかりそうなところを採掘せざる得なくなるだろうと言うことは分かってきている.

電気事業連合会より引用
現在の内燃機関や石油化学は,石油の掘削から精製過程そして利用までの変換過程でのエントロピーの小ささと石油の
エネルギー密度の高さ(例えば現在もてはやされているリチウムイオン電池の約100倍の体積エネルギー密度)に依存するもので,石油代替エネルギーやプラスチック代替材料または新しいライフスタイルをそろそろ見つけておかないとそのツケは計り知れない(化学,機械,電気エネルギーの相互変換の際に発生する損失が大きい).ランニングコストは安くとも,製造にかかるエネルギーが大きい
デジタル家電の普及を見れば分かるように,まだまだ使えるのに古くさいというイメージ戦略が成功すれば流れが付いてしまうのだ.ライフサイクルでのエネルギーコストを考えずに.そして
デジタル家電の行く末は常に
安ければいいだ(そのデジタル製品が安く作れるのは
パラダイムシフトで安い賃金で作れるようになったからである).その結果その新しく作られたブームの担い手は
日本から去っていく.これは身近の例であげてみれば上の図に示されるようにデジタル製品の普及し始めたIT革命以後の民生部門で消費電力が増える一方,そのデジタル製品は国外で設計製造されるためGDPは増えていないためこの国の富は海外に流出する一方となっているために生活が明るくならないのであって自業自得である.
GDPと発電量で述べたように,今求められている消費電力以上の-20%の時代はバブル崩壊後の92年に相当し,デジタル製品に囲まれていないこの頃が今より不便で心の充足がない時代だったのか考えてみるべきだろう.
明治維新,戦後復興は国民
一人一人がこれからの社会ビジョンを共有できていたというが,これまでのようにバブル以前の貯金で暮らしてこられたゆでガエル国民一人一人が都合の悪いことに対し思考停止なってしまうようではギリシャやスペインのようになる日が早まってくるのではないだろうか.ラテン系な彼らは思考停止になると言うより,都合の悪いことを思考できなかったのかもしれない.
後悔先にたたず,後悔役にたたず,後悔後をたたず